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【副業と雇用保険】失業保険はもらえる?加入条件・注意点をわかりやすく解説

副業と雇用保険 失業保険はもらえる?
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最近は働き方の多様化に伴い、副業を始める方が増えてきました。しかし、副業を始めると「本業とは別に、副業先でも雇用保険に加入できるの?」「もし本業を辞めた場合、副業を続けながら失業保険(基本手当)はもらえるの?」といった、雇用保険に関する様々な疑問や不安が生じるのではないでしょうか。

この記事では、副業を行う際の雇用保険の基本的なルールから、多くの方が気になる失業保険の受給条件、そして事前に知っておくべき重要な注意点まで、一つひとつ丁寧に、そしてわかりやすく解説していきます。特に、本業を退職した後も副業は継続したいと考えている方にとっては、失業保険を不利益なく活用するための必読の内容となっています。

この記事を最後までお読みいただければ、副業と雇用保険の複雑な関係性を正しく理解し、ご自身の状況に合わせて適切に対応できるようになるはずです。安心して副業に取り組み、万が一の際にも制度を賢く活用するための知識を身につけましょう。

目次

副業と雇用保険の基本ルール|二重加入はできる?

副業を始めるにあたって最も基本的な疑問である、雇用保険の加入条件と、副業先での加入の必要性、二重加入の可否について解説します。

副業をスタートする上で、多くの方が最初にぶつかるのが雇用保険の取り扱いに関する疑問ではないでしょうか。「副業先でも雇用保険に入らないといけないの?」「そもそも2つの会社で雇用保険に加入できるのだろうか?」など、気になるポイントはたくさんあると思います。
まずは、副業と雇用保険の基本的な関係性から、一緒に見ていきましょう。

そもそも雇用保険とは?加入条件を再確認

雇用保険制度の目的と、どのような労働者が加入対象となるのか、基本的な加入条件(労働時間、雇用期間など)を説明します。

雇用保険は、労働者が失業して収入が途絶えたり、育児や介護のために一時的に働くことが困難になったりした場合に、生活の安定を図り、再就職を支援することを目的とした給付を行う、国が運営する強制保険制度です。万が一の事態に備えるセーフティネットとして、働く私たちにとって非常に大切な役割を担っています。

基本的な加入条件は以下の通りです。これらの条件を満たす場合、パートタイマーやアルバイトといった雇用形態に関わらず、原則として雇用保険の加入義務が生じます。

  1. 31日以上引き続き雇用されることが見込まれること。 (契約期間の定めのない場合や、契約期間が31日未満であっても更新されることが明示されている場合を含みます)
  2. 1週間の所定労働時間が20時間以上であること。
  3. 学生ではないこと。 (ただし、夜間学生、通信制の学生、休学中の学生、または卒業見込証明書があり卒業前に就職し卒業後も引き続き同じ事業所で勤務する予定の学生などは、例外的に加入できる場合があります)

これらの条件をすべて満たす場合、本人の意思に関わらず、原則として雇用保険の被保険者となります。ご自身が加入対象となるか不安な場合は、勤務先の担当者に確認してみましょう。

なお、公務員の方は、国家公務員退職手当法など別の退職手当制度が適用されるため、雇用保険の対象外となり、失業保険(基本手当)を受給することはできません。また、雇用保険料は毎月の給与額に応じて変動し、労働者と事業主双方で負担します。例えば、月給20万円の場合、労働者の負担額は給与の0.6%にあたる1,200円、事業主の負担額は0.95%にあたる1,900円程度となります(これは2024年度時点の一般の事業における保険料率の例です)。毎月の給与から天引きされているため普段あまり意識しないかもしれませんが、それほど大きな負担ではないのが特徴です。

副業先でも雇用保険に加入する必要はある?

本業の状況(会社員か個人事業主か)によって、副業先での雇用保険加入の扱いがどう変わるのかを具体的に説明します。

「副業を始めたら、副業先の会社でも雇用保険に加入しなければならないのだろうか?」これは多くの方が抱く疑問の一つです。結論から申し上げますと、本業の働き方や副業の契約内容によって、副業先での雇用保険加入の必要性は異なります。一概に「副業だから加入不要」と判断できるわけではありません。

本業が会社員の場合

主たる勤務先で既に雇用保険に加入している会社員が副業をするケースについて、副業先での加入の要否を解説します。

本業の会社で既に雇用保険に加入している方が副業を行う場合、原則として副業先の会社で新たに雇用保険に加入する必要はありませんし、できません。 雇用保険制度は、労働者が主たる生計を維持している(つまり、最も多くの賃金を得ている)一つの勤務先でのみ加入するというのが基本ルールだからです。

たとえ副業先のアルバイトやパートの仕事が、雇用保険の加入条件(週20時間以上の所定労働時間、31日以上の雇用見込みなど)を満たしていたとしても、本業の会社で雇用保険に加入していれば、そちらの加入が優先されます。

ただし、副業を始める際には、混乱を避けるために、副業先の会社に対して「本業の会社で雇用保険に加入済みである」という事実を伝えておくことが賢明です。これを怠ると、副業先が誤って雇用保険の加入手続きを進めてしまい、後日、資格喪失の手続きなど余計な手間が発生する可能性があります。

稀なケースではありますが、本業と副業の労働時間や収入が同程度であり、どちらの事業所を主たる事業所として雇用保険に加入するかを選択する必要が生じた場合には、「被保険者資格取得届の提出等に関する選択」という手続きが必要になることがあります。しかし、これは例外的な状況であり、通常は本業の会社での雇用保険加入が継続されます。

本業が個人事業主・フリーランスの場合

個人事業主やフリーランスが、新たにアルバイトなどの形で副業を始める場合の雇用保険加入について解説します。

個人事業主やフリーランスとして活動している方は、事業主であり「雇用される労働者」ではないため、原則としてご自身の事業に関しては雇用保険の被保険者にはなれません。

しかし、個人事業とは別に、アルバイトやパートタイマーとして企業に雇用され、その副業先で前述の雇用保険の加入条件(週20時間以上の所定労働時間、31日以上の雇用見込みなど)をすべて満たす場合には、その副業先で雇用保険に加入することになります。この場合、その副業があなたの主たる生計手段と見なされる可能性があるためです。

注意点として、副業の形態が業務委託契約である場合は、企業と対等な立場で業務を請け負う契約とみなされるため、「雇用されている」とは判断されず、雇用保険の加入対象にはなりません。したがって、本業も副業も業務委託契約というフリーランスの方は、どちらの仕事においても雇用保険に加入することはできません。

雇用保険の二重加入は原則不可!知っておくべきポイント

雇用保険は原則として一つの事業所でしか加入できない(二重加入できない)ルールとその理由、注意すべき点を説明します。

繰り返しになりますが、雇用保険は原則として二重加入(複数の会社で同時に被保険者となること)はできません。 これは、労働者が失業した際に失業保険(基本手当)などの給付を受けるのは、主たる賃金を得ていた一つの窓口から、という制度設計になっているためです。もし複数の会社で加入できてしまうと、給付額の算定や手続きが著しく複雑になったり、給付の公平性が損なわれたりする可能性があるからです。

万が一、何らかの理由で二重加入の状態になってしまった場合でも、通常はハローワークや会社の担当者がその事実に気づき、どちらか一方の事業所(通常は主たる賃金を得ている事業所)でのみ加入するように修正する手続きが行われます。意図しない二重加入によってペナルティが科されるわけではありませんが、手続きが煩雑になる可能性があるため、副業を始める際には、本業での雇用保険の加入状況を副業先に正確に伝えることが大切です。

社会保険(健康保険・厚生年金)との違いについて
ここで、雇用保険と混同しやすい社会保険(健康保険・厚生年金保険)との違いについて触れておきましょう。社会保険は、一定の条件を満たせば、2社以上の事業所で同時に加入することが可能です。例えば、それぞれの会社での1週間の所定労働時間および1ヶ月の所定労働日数が、通常の労働者の4分の3以上(多くの企業では週30時間以上が目安)となる場合などです。特に、複数の会社で役員を務めている場合は、役員報酬が少額であっても強制加入となるケースがあります。

もし2社以上で社会保険に加入する場合は、「健康保険・厚生年金保険 被保険者所属選択・二以上事業所勤務届」という書類を日本年金機構や健康保険組合に提出し、主たる事業所(選択事業所)を自分で選択する手続きが必要になります。保険料は2社の報酬月額を合算した標準報酬月額に基づいて算出され、各社の報酬月額に応じて按分された額をそれぞれの事業所から納付します。健康保険証も主たる事業所から発行され、二以上事業所勤務の手続きを行うと保険証の番号が変更され、再発行される点も覚えておきましょう。
(ここに「二以上事業所勤務届」の様式イメージや手続きの流れを図解で挿入すると、読者の理解が深まります。)

しかしながら、この記事の主題である雇用保険は、社会保険とは異なり、原則として1社のみでの加入となる点をしっかりと押さえておいてください。

【重要】本業を辞めて副業を続ける場合、失業保険(基本手当)はもらえる?

多くの人が関心を持つ、本業を退職した後、副業を続けながら失業保険(基本手当)を受給できるのか、その可否と条件について詳しく解説します。

ここからが、多くの方が最も知りたい情報ではないでしょうか。「長年勤めた本業の会社を辞めることになったけれど、細々と続けてきた副業は今後も続けたい。このような場合、失業保険(基本手当)はもらえるのだろうか?」と気になっている方も多いでしょう。副業が社会に浸透してきた現代において、これは本当に切実な悩みですよね。

結論から申し上げますと、一定の条件を満たせば、副業を続けながら失業保険(正式名称:雇用保険の基本手当)を受給することは可能です! ですから、すぐに諦めてしまう必要はありません。

ただし、ここで非常に重要なポイントがあります。それは、法律的に「失業している状態」であるとハローワークに認められる必要があるということです。たとえ副業からの収入がゼロであったり、ごくわずかであったりしたとしても、副業を行っている状況が「新たに就職した」または「自営業を開始した」と見なされてしまうと、失業保険の受給対象外となってしまいます。

個人事業主として副業を継続する場合の特に重要な注意点
もしあなたが個人事業主として副業(例えば、ブログ運営、アフィリエイト、せどり、コンサルティングなど)を行っており、本業の会社を退職した後もその副業を継続する意向がある場合、原則として失業保険を受給することはできません。これは、あなたが「事業を行っている」状態にあると見なされるためです。

失業保険を受給するためには、本業の会社を退職する前、または退職後に雇用保険の受給資格決定を受けるまでの間に、管轄の税務署へ「廃業届(個人事業の開業・廃業等届出書)」を提出し、客観的に見て事業を行っていない状態にする必要があります。廃業届を提出したにもかかわらず、実態として副業のビジネスを継続していたことが発覚した場合は、不正受給と見なされ、厳しいペナルティが科されるため、絶対にそのような行為は行わないでください。この点は非常に重要ですので、該当する方は特にご注意ください。

失業保険(基本手当)の一般的な受給資格

まず、副業の有無に関わらず、失業保険(基本手当)を受給するための基本的な条件(被保険者期間、求職の意思など)を確認します。

まず、副業の有無にかかわらず、失業保険(基本手当)を受給するためには、以下の基本的な条件をすべて満たしている必要があります。これらの条件をクリアして初めて、副業をしている場合の追加的な条件が考慮されることになります。

  1. 離職日以前2年間に、被保険者期間(雇用保険に加入していた期間で、賃金の支払いの基礎となった日数が11日以上ある月、または賃金の支払いの基礎となった時間数が80時間以上ある月)が12か月以上あること。
    • ただし、倒産・解雇など会社都合による離職(特定理由離職者や特定受給資格者に該当する場合)は、離職日以前1年間に被保険者期間が6か月以上あれば受給資格が得られる場合があります。
  2. 働く意思と能力があること。
    • つまり、積極的に就職しようとする意欲があり、いつでも就職できる健康状態や環境などを備えているにもかかわらず、現に職業に就くことができない状態であることが必要です。病気やケガですぐに働けない場合や、学業に専念している場合、家事に専念している場合などは対象外となります。
  3. 積極的に求職活動を行っているにもかかわらず、就職できない状態であること。
    • ハローワークへの求職申し込みや、求人への応募、面接、ハローワークが実施する職業相談や職業指導を受けるなど、客観的に確認できる具体的な求職活動の実績が求められます。
  4. 離職理由が正当であると認められること。
    • 自己都合による退職、会社の倒産や解雇といった会社都合による退職、契約期間の満了など、離職理由によって給付制限(後述)の有無や所定給付日数が異なる場合があります。

失業保険の給付内容について
失業保険で受給できる1日あたりの金額を「基本手当日額」といいます。これは、大まかに言うと離職する直前の6ヶ月間に支払われた賃金(賞与や退職金などは除く)の合計を180で割って算出した賃金日額の、約50%~80%(60歳~64歳の方は45%~80%)に相当する額です。賃金が低い方ほど給付率が高くなるように設定されています。ただし、基本手当日額には年齢区分ごとに上限額と下限額が定められています。

失業保険が支給される日数(所定給付日数)は、雇用保険の被保険者であった期間、離職時の年齢、そして離職理由によって異なり、90日~360日の間で決定されます。
例えば、ご自身の都合で退職した場合(一般の離職者)、雇用保険の加入期間が10年未満であれば90日、10年以上20年未満であれば120日、20年以上であれば150日といった具合です。一方で、会社の倒産や解雇、あるいは正当な理由のある自己都合退職(例:体力の不足、心身の障害、疾病、負傷、家族の介護、通勤困難など)により離職を余儀なくされた場合(特定受給資格者や特定理由離職者)は、一般の離職者よりも給付日数が手厚くなり、年齢や加入期間によっては最大で330日受給できるケースもあります。
(ここに失業保険の給付日数目安表(年齢・被保険者期間・離職理由別)を挿入すると、読者の理解が深まります。)

また、求職者給付には、基本手当の他にも「傷病手当」というものがあります。これは、ハローワークへ求職の申し込みをした後に、病気やケガが原因で15日以上継続して職業に就くことができなくなった場合に、基本手当の代わりに支給されるものです(健康保険から支給される傷病手当金とは別の制度です)。

副業しながら失業保険を受給するための具体的な条件と注意点

副業を継続しつつ失業保険を受給するためにクリアすべき、労働時間、収入、申告などの具体的な条件と、それぞれの注意点を詳細に説明します。

さて、ここからが本題中の本題です! 副業を続けながら失業保険を受給するためには、前述の一般的な受給資格に加えて、さらにいくつかの具体的な条件をクリアし、守らなければならない注意点があります。これらのルールを正しく理解し遵守しないと、せっかく受給できるはずだった失業保険がもらえなくなってしまったり、最悪の場合には不正受給としてペナルティを科されたりする可能性もあります。一つひとつ、しっかりと確認していきましょう。

失業保険受給までの大まかな流れと各段階での副業の可否について
失業保険を受給するためには、まず会社から離職票が交付されたら、ご自身の住所地を管轄するハローワークへ行き、求職の申し込みを行うことから手続きが始まります。その後、受給資格の決定、雇用保険説明会への参加、待機期間(後述)、給付制限期間(自己都合退職などの場合。後述)を経て、原則として4週間に1度設定される失業認定日にハローワークへ行き、失業の認定を受けることで、基本手当が指定の口座に振り込まれるという流れになります。

各段階において、副業ができるかどうか、できる場合の条件などが細かく定められていますので、注意が必要です。
(ここに「会社退職から失業保険受給完了までの流れ」と「各段階における副業の可否判定」を図解で挿入すると、読者の理解が深まります。)

求職申し込み前の副業は「週20時間未満」厳守!

会社を退職し、ハローワークへ求職申し込みをするまでの期間の副業について解説します。

会社を退職してから、会社から離職票が届き、ハローワークで求職申し込みの手続きを行うまでの期間についても、副業を行うこと自体は可能です。ただし、この期間に行う副業は「1週間の所定労働時間を20時間未満」に抑えることが絶対的な条件となります。

もし、この期間に週に20時間以上働いてしまうと、それはもはや「失業状態」ではなく「就職している状態」と見なされ、新たな勤務先で雇用保険の加入対象となってしまいます。その結果、失業保険の受給資格そのものを得られなくなってしまう可能性が非常に高いため、厳重に注意が必要です。
離職票が手元に届くまでの期間は会社によって異なり、通常は退職後10日~2週間程度ですが、手続きの都合で1ヶ月程度かかる場合もあります。その間の副業は、この「週20時間未満ルール」を必ず守り、慎重に行うようにしましょう。このルールは、失業保険の手続き全体を通して重要な基準となるため、しっかりと覚えておいてください。

待機期間(7日間)は副業NG!

失業保険の手続き後、最初の7日間の待機期間中に副業を行うことの可否と、行った場合の影響について解説します。

ハローワークで求職の申し込み手続きを終え、受給資格が決定すると、最初に7日間の「待機期間」が設けられます。この待機期間は、あなたが本当に失業状態にあるのかどうかをハローワークが確認するための期間であり、この7日間は原則としていかなる形態の副業(収入を得る労働)も行うことはできません。 「仕事をしていない状態」を維持することが強く求められます。

もし、この待機期間中にアルバイトなどをして収入を得てしまうと、その働いた日数分だけ待機期間が後ろ倒しに延長されてしまいます。例えば、7日間の待機期間のうち1日でも働いてしまうと、待機期間が実質的に8日間に延びる、といった具合です。これでは、失業保険の受給開始がその分遅れてしまいます。待機期間中は収入の有無にかかわらず、一切の労働を控え、完全に仕事から離れているのが最も無難です。

なお、この待機期間中においても、前述の「週20時間未満ルール」は厳格に適用されます。万が一、待機期間中に週20時間以上働いてしまうようなことがあると、「就職した」とみなされ、失業保険そのものが支給されなくなる可能性があるので、これは絶対に避けなければなりません。収入の有無ではなく、「仕事をしたかどうか」が判断基準になる点にも注意が必要です。

副業の労働時間は「週20時間未満」かつ「1日の労働時間」も重要!

失業保険受給中の副業における労働時間の上限(週20時間未満、1日の労働時間)と、これを超えた場合の扱われ方について説明します。「就職または就労」とみなされる基準にも触れます。

7日間の待機期間が無事に満了し、いよいよ失業保険の受給が開始される期間に入ると(自己都合退職などで給付制限期間がある場合は、その期間が終了した後)、副業をしながら給付を受けることが可能になります。ここでも特に重要になるのが、副業の労働時間です。

  • 1週間の所定労働時間は20時間未満であること。 これが絶対条件です。もし週の労働時間が20時間以上になってしまうと、それは「就職した」とみなされ、その時点で失業保険の支給はストップしてしまいます。
  • 1日の労働時間も重要なポイントです。 ハローワークでは、1日の労働時間によって副業の扱いが次のように変わります。
    • 1日の労働時間が4時間以上の場合:「就職または就労」と扱われます。この場合、その日に働いた分の基本手当は支給されません。ただし、支給されなかった日数分の基本手当は、所定給付日数の残日数として後ろに繰り越される(支給繰り越しされる)ため、トータルの受給総額が減るわけではありません。
    • 1日の労働時間が4時間未満の場合:「内職または手伝い」と扱われます。この場合は、その日の基本手当は原則として支給されますが、得た収入額によっては基本手当が減額されることがあります(詳しくは次の条件で具体的に解説します)。

つまり、失業保険を満額受給しつつ、かつ支給を先送りにされることなく副業を行うためには、「1週間の労働時間を20時間未満に抑え、かつ、1日の労働時間も4時間未満にする」のが一つの目安となります。ただし、この場合でも、得た収入額によっては基本手当が減額されるリスクは残ることに注意が必要です。

「ちょっとしたお手伝い」や「短時間の内職」といった範囲で副業を行う、というイメージを持つと分かりやすいかもしれません。長時間労働にならないように、事前にシフトを調整したり、請け負う仕事量をコントロールしたりすることが大切です。

【体験談より】個人事業の副業はどう申告する?
ある動画配信者の方は、Amazonを利用した「せどり」(商品を安く仕入れて高く売るビジネス)を個人事業として副業で行いながら、失業保険を受給した経験があるそうです。その際、ハローワークの担当者からは「ありのままの状況を正直に報告してください」と指導されたとのことです。

個人事業の場合、アルバイトのように勤務先から労働時間の証明書が発行されるわけではありません。そのため、ご自身で日々の活動時間や収入を正確に記録・管理し、それを基に正直に申告することが強く求められます。この方は、Amazonでの販売の場合、売上金額から仕入れ費用や販売手数料などの経費を差し引いた「利益(所得)」を収入として報告し、Amazonからの入金サイクル(例:2週間に1度)を考慮して、1日あたりの収入が基本手当の減額対象とならないように、あるいは影響が最小限になるように調整していたそうです。
このように、個人事業として副業を行う場合は、特に自己管理と正確な申告が重要になります。不明な点は正直にハローワークの担当者に相談しましょう。

副業収入による失業保険の減額・支給停止に注意

副業で得た収入額によって、失業保険が減額されたり、支給停止になったりするケースとその基準について解説します。

1日の労働時間が4時間未満の「内職または手伝い」とみなされる副業の場合であっても、安心はできません。その副業で得た収入額によっては、その日の基本手当が減額されたり、場合によっては全額支給停止(しかも支給繰り越しもなし)になったりすることがあるのです。

減額の具体的なルールについて
減額のルールは少々複雑ですが、基本的には以下の計算式に基づいて判断されます。

(1日あたりの基本手当日額)+(1日あたりの副業による収入額 - 控除額) ≦ (離職時賃金日額 × 80%)

この式が成り立つ場合、つまり「あなたが受給する1日あたりの基本手当の額」と「副業で得た1日あたりの収入から一定の控除額を差し引いた額」の合計が、「離職前の賃金日額の80%」を超えなければ、基本手当は減額されずに全額支給されます。
もし、この合計額が「離職前の賃金日額の80%」を超えてしまった場合は、その超えた金額分だけ、その日の基本手当が減額されます。

(この計算式で用いられる「控除額」は、毎年8月1日に見直されます。2023年8月1日から2024年7月31日までは1,331円です。この金額は変動する可能性があるため、手続きの際には必ず最新の情報をハローワークで確認してください。)

簡単に言うと、「あなたが以前もらっていたお給料の約8割くらいまでなら、失業保険と副業の収入を合わせてもらっても大丈夫ですよ。でも、もしそれ以上になるようでしたら、ちょっと失業保険の支給額を調整させていただきますね」というイメージです。

さらに注意が必要なのは、副業での1日あたりの収入額が非常に大きい場合(具体的には、「1日あたりの副業による収入額 - 控除額」だけで、既に「離職時賃金日額の80%」を超えてしまうような場合)です。このケースでは、その日の基本手当は全額支給されず、かつ、その分が後に繰り越されることもありません。つまり、その日の分の失業保険は完全にもらえなくなってしまうのです。副業で収入を増やしすぎると、かえって損をしてしまうこともあるため、このバランスには十分な注意が必要です。

減額を避けるための1日あたりの副業収入の上限目安の計算方法:
(離職時賃金日額 × 80%) - (基本手当日額) + (控除額) = 1日あたりの副業収入上限の目安

ご自身の離職時賃金日額や基本手当日額は、ハローワークで求職申し込みを行い、受給資格が決定した際に交付される「雇用保険受給資格者証」に記載されています。事前にご自身で概算したい場合は、退職前の過去6ヶ月間の給与明細からおおよその賃金日額を算出し、厚生労働省のウェブサイトなどで公開されている給付率の情報を参照して基本手当日額を予測することも可能です。
(ここに減額ルールの計算式と、具体的な数値例を用いた収入上限計算の図解を挿入すると、読者の理解が格段に深まります。)

ハローワークへの正確な申告が必須!

副業の事実や収入状況をハローワークへ正確に申告することの重要性と、申告方法の概要を説明します。

これが最も重要と言っても過言ではない、絶対的なルールです。失業保険の受給期間中に副業(アルバイト、パート、日雇い、内職、手伝い、個人事業、フリーランスとしての活動など、その形態や名称を問わず、収入の有無にかかわらず、何らかの労働の対価を得る可能性のある活動全般)を行った場合は、必ず4週間に1度の「失業認定日」に、管轄のハローワークへその事実を正確に申告しなければなりません。

申告は、失業認定日に提出する「失業認定申告書」という書類に、副業として働いた日、1日の労働時間が4時間以上であったか4時間未満であったか、そして得た収入の額などを、正直に、ありのままに記入して行います。収入がまだ確定していない場合(例えば、月末締めで翌月払いの報酬など)であっても、その見込み額や労働の事実、状況などを正直に申告する必要があります。
(ここに「失業認定申告書」のカレンダー部分など、副業に関する記入箇所の具体例や記入方法のイメージを挿入すると、読者が申告の仕方を具体的に理解する助けになります。)

「ほんの少しの時間だからバレないだろう…」「収入が少ないから申告しなくても大丈夫だろう…」といった甘い考えは絶対に禁物です。ハローワークは、受給資格者が正しく制度を利用しているかを確認するため、様々な方法で就労状況の調査を行っています。

【警告】失業保険の不正受給は絶対ダメ!バレたら重いペナルティ

副業の事実を隠して失業保険を受給した場合などの不正受給のリスク、発覚した場合の具体的なペナルティ(支給停止、返還命令、追徴金など)について厳しく警告します。

もし、副業を行った事実を隠したり、労働時間や収入額を偽って申告したり、あるいは実際には行っていない求職活動を報告したりするなどして失業保険を受給した場合、それは「不正受給」とみなされ、非常に重いペナルティが科されることになります。これは絶対に避けなければならない行為です。

不正受給はこうして発覚する!
「どうせバレないだろう」と安易に考えてしまうのは大変危険です。ハローワークは、不正受給を防止し、発見するための調査を常時行っています。不正受給が発覚する主なきっかけとしては、以下のようなケースが挙げられます。

  1. ハローワークのコンピューターシステムによる自動チェック: 提出された失業認定申告書の内容と、マイナンバーに紐づけられた雇用保険の加入記録、社会保険の加入状況、さらには税務署が保有する所得情報などとの突合により、申告内容との間に矛盾点や疑わしい点が見つかることがあります。
  2. ハローワーク職員による事業所への問い合わせや実地調査、家庭訪問など: ハローワークの職員は、求職活動の事実確認や受給者の就労状況の確認のために、受給者が応募したとされる企業や、過去に勤務していた事業所などに電話で問い合わせたり、直接訪問して聞き取り調査を行ったりすることがあります。また、稀なケースではありますが、受給者の自宅を訪問して状況を確認することもあります。
  3. 第三者からの投書や電話などによる通報・密告: これが実は非常に多い発覚原因の一つです。元同僚、友人、知人、あるいは匿名の方から、「あの人は失業保険をもらいながら働いているようだ」といった情報提供がハローワークに寄せられることがあります。

不正受給と判断された場合のペナルティ
不正受給が発覚した場合、以下のような厳しい処分が行われます。

  • 支給停止: 不正の事実が判明した日以降、一切の基本手当が支給されなくなります(これを「支給停止処分」といいます)。
  • 返還命令: 不正に受給した基本手当の全額を、一括で返還しなければなりません(これを「返還命令」といいます)。
  • 納付命令(追徴金): 返還命令が出された不正受給額に加えて、さらにその不正受給額の最大2倍に相当する金額の納付が命じられることがあります(これを「納付命令」といい、いわゆる「3倍返し」と言われるものです)。つまり、不正に受け取った額の3倍の金額を支払わなければならなくなる可能性があるのです。
  • 延滞金の発生: 返還命令や納付命令に応じない場合、年率14.6%(変動あり)という高率の延滞金が課されます。
  • 財産差し押さえ: それでも返還や納付に応じない場合は、預貯金や不動産などの財産が差し押さえられる強制執行が行われることもあります。
  • 刑事告発: 特に悪質なケースや不正受給額が高額な場合などには、詐欺罪として警察に刑事告発され、処罰される可能性もあります。

このように、不正受給の代償は非常に大きなものです。軽い気持ちで行った不正が、その後の人生に深刻な影響を及ぼすこともあります。副業を行う場合は、必ずルールを守り、正直に申告することを徹底してください。疑問な点や不安なことがあれば、自己判断せずに必ずハローワークの窓口で相談するようにしましょう。

まとめ:副業と雇用保険・失業保険のポイントを理解して賢く活用しよう

今回は、副業と雇用保険の基本的な関係から、本業を辞めて副業を続けながら失業保険を受給するための条件や注意点、そして不正受給のリスクについて詳しく解説しました。

【副業と雇用保険の基本】

  • 雇用保険は原則として主たる生計を維持する1社でのみ加入(二重加入は不可)。
  • 本業で加入していれば、副業先で条件を満たしても通常は加入不要。
  • 個人事業主が副業で雇用される場合は、副業先で条件を満たせば加入。

【副業しながら失業保険を受給するための重要ポイント】

  1. 求職申込前の副業: 週20時間未満厳守。
  2. 待機期間(7日間): 副業は一切NG。
  3. 受給中の副業:
    • 週20時間未満であること。
    • 1日4時間以上の労働は「就職・就労」扱いでその日の手当は支給繰り越し。
    • 1日4時間未満の労働は「内職・手伝い」扱いで、収入額により手当が減額または不支給(繰越なし)の可能性あり。
  4. 収入制限: 「基本手当日額+(副業収入-控除額)」が「離職時賃金日額の80%」を超えると減額。副業収入が多すぎるとその日の手当は不支給(繰越なし)。
  5. 正確な申告: 失業認定日に全ての副業(収入の有無、時間の長短問わず)を正直に申告。

副業をしながら失業保険を受給することは、ルールを正しく理解し、誠実に手続きを行えば十分に可能です。しかし、その条件は細かく定められており、特に労働時間や収入の申告には細心の注意が必要です。「知らなかった」では済まされないケースもありますので、不明な点は必ずハローワークに確認し、指示に従うようにしてください。

この記事が、副業と雇用保険、そして失業保険について理解を深め、安心して制度を活用するための一助となれば幸いです。

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